田村医師会より住民の皆様へ(田村医師会長よりのメッセージ)

昨年12月に中国の武漢市で発生した新型コロナウィルス感染症が急速に全世界に広まっています。日本国内では、最初に、武漢市からの帰国者・武漢市からの観光客を乗せたバスの運転手さんやガイドさんが発症し、2月の初めに日本政府は、中国の湖北省に滞在した人の入国を制限しましたが、それまでに多くの人が春節で日本を訪問し、自分がウィルスに感染したという自覚がないまま、日本中を観光していたと考えられますから、ダイヤモンド・プリンセス号のような不幸な事態に遭遇しなくとも、現在のように、感染ルートが辿れない感染例が日本の各地で報告されるようになるのは、時間の問題だったと考えられます。

さて、このような状況下で、本県(福島県)において(他県からの要請を受け入れて入院中の方々を除き)本日、はじめて感染した方の報告がありました。

ダイヤモンド・プリンセス号に乗船されていた方とのことです。

いよいよ、本県の皆様にも、真剣に予防に努めていただきたいと考えます。

田村医師会は、この感染症の終息を目指し、また、終息するまでに、感染した方の中から重症者・そして亡くなる方をださないために国・県・日本医師会・福島県医師会のすべての郡市地区医師会・管区自治体・消防署などの関係団体と連携・協力してまいります。

医師会内では、日々手に入る限りの最新情報を共有しております。

また、地域の医療機関が医療の機能を失わず、通常通りの医療活動を通して住民の皆様を医療面で支えていくために全力を尽くしてまいります。

このため、管区自治体(田村市・三春町・小野町)の首長さん方に、現在入手が困難になっている医療機関での医療活動に必要なマスク等の物品の供給についてお願いいたしております。

会員医師をはじめ医療機関(介護現場)で働く人々が、安全な環境下で医療や介護の活動に従事することができますよう、住民の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。

住民の皆様の中には、この感染症にかかると重篤な症状に陥る確率が高い、高齢の方・基礎疾患を持つ方がいらっしゃいますが、この方々に「絶対に感染させてはならない」ことを念頭において、皆様が一致団結して予防の行動をとっていただきたいと考えます。

現在、休校となっている小・中学校・高等学校の児童・生徒の皆さんには、このような試練の時期を乗り越え、感染症予防に真剣に努めるとともに、この時期を利用して、未来の世界を担うために、より一層の実力を養い、福島っ子の強い意志と力を示していただきたいと切に願います。

また、乳幼児・児童・生徒の保護者の皆様には、この感染症流行が一刻も早く終息し、再び平穏な環境下で安心してお子さんたちの成長を見守ることができる日が訪れますことを、ともに祈り、感染症終息までの日々、医師会活動にご協力を賜りますようお願い申し上げます。