2015/01/08
平成26年11月14日に、本年度の最初のインフルエンザ発生が報告されてから、平成27年1月4日までの報告をみると、本年度の特徴は流行の開始時期は例年に比べ3~4週早い(図1)。
発生総数は971名、男女別では、やや女性での発生が多い(図2)。
発生報告数を累計して時間的経過をみると、0~18歳群では12月14日以降の発生報告増加が顕著だが、12月26日以降はその増加も頭打ちになっている。一方、19歳以上群では12月20日までは徐々に増加、20日以降は急速な発生報告数の増加が認められる(図3)。
市町村別にみると、田村市(444名)>小野町(277名)>三春町(169名)の順で報告数が多いが、人口割りでみると今までのところ小野町での発生が多い。例年に比べると三春町での発生報告数が少ないようである(図4)。
各市町村別でみてみると、田村市(図5)では0~18歳群と19歳以上群がほぼ同数、小野町(図6)では0~18歳群での発生が19歳以上群のそれを上回っている。一方、三春町(図7)では19歳以上群が0~18歳群を上回っている。
報告されたインフルエンザ罹患者でのワクチン接種の有無をみてみる。
3市町総合でみるとワクチン未接種者での発生があきらかに多い(図8)が、市町別でみてみると、少々異なってくる。田村市(図9)では未接種者が2/3を占めるが、小野町(図10)では未接種者と接種者がほぼ同数、三春町(図11)は未接種者の割合が3市町総合のそれと同様の割合である。
0~18歳群と19歳以上群でみてみると、0~18歳群(図12)では小野町と三春町でワクチン接種者が未接種者での発生数を上回っているが、田村市では未接種者が多い。一方、19歳以上群(図13)ではその割合に差があるものの3市町ともに未接種者が接種者を上回っている。
ここでワクチン接種者、未接種者からのインフルエンザ罹患数を経時的に累積してみる。
3市町を総合してみると、0~18歳群では未接種者、接種者ともに同じような発生傾向だが、19歳以上群になると、未接種群の発生数が明らかに多い(図14、15)。
田村市では両群ともに未接種者が接種者をどの時点でも上回っている(図16、17)。
小野町では、0~18歳群では接種者が未接種者の発生を上回っているが、19歳以上群ではそれが逆転している(図18、19)。
三春町でも同様である(図20、21)。
前年度までの発生報告を踏まえ、さらに今年度の今までの報告を考えると、今後、学校再開を期して、田村市、三春町で0~18歳群での増加が推測される。とくに三春町には注意していただきたい。また、今年度は今のところワクチン接種者がインフルエンザに罹患しにくいということはないようであるので、今後注意していただきたい。
注:昨年度の小野町の統計によれば、0~15歳でのワクチン接種率は約57%なので、今年度も同様の接種率と考えると、インフルエンザ罹患はワクチン未接種者の方がより危険率が高いということにもなる。