平成27年度一般社団法人田村医師会総会

平成27年5月23日に一般社団法人田村医師会総会・祝賀会が田村市船引町の迎賓館辰巳屋にて開催されました。
田村医師会平成27年度定例総会

田村医師会平成27年度定例総会祝賀会

田村医師会会長石塚尋朗 挨拶全文

皆様にはご多忙のところ、田村医師会総会祝賀会にお集まりいただき深く御礼申し上げます。

本日は田村医師会が一般社団法人田村医師会として新たにスタートいたしました最初の総会祝賀会となります。

その記念すべき総会において 今日私たちは永年勤続の皆さんとともに特別永年勤続の皆さんを表彰いたします。

この皆さんはは平成二十年以前に永年勤続で表彰された皆さんですが、当時の医師会総会は現在のそれとは異なり小規模のもので来賓の数も限られたものでした。

本日勤続三十年以上の皆さんを多くの来賓の祝福のもとにあらためて表彰することは医師会にとりましても喜ばしいことです。

皆様にはこころからお祝い申し上げます。
おめでとうございます。

さて私は日頃より医師という職業は社会にとって貴重な財産であると考えております。
一つの医療機関があれば、そこには病を癒し、人の生命に関わることができる人間が存在するということ それは、地域の人々に潜在的な安心感をもたらす貴重な資源であると考えます。
その医師の集団として、私たちはその意味を十分に自覚し、与えられた使命を日々忘れることなく歩むことを求められています。

ここにお集まりいただいた来賓の方々。

この国を守り、社会の治安、人々の安全な生活、そして生命と財産を守るという使命のもとに日々活動しておられる皆様。

そして人々に選ばれ、その代表として日々地域住民の福利のために尽力される皆様。

未来を担う子供たちをはぐくむ教育という環境の充実のために心をくだかれる皆様。

人々の心身ともに健康な長寿のために我々医師と連携して活動する団体の皆様。

災害時等に我々の医療機関が活動を停止することのないように貴重なエネルギーを供給してくださる団体の皆様皆様とともにこの栄えある日を祝い、これからの協力関係をより強固なものにしていくことは、私たち医師がその使命を果たしていくために大変重要なことであると思います。

これからの医師会はその使命をひと時も忘れることなく、真にこの地域に必要な医療を考え、正しい医療圏の構築に尽力するべきと考えます。
人生は無限に続くものではありません。
それを知らず人間はつまらない心配やためらいによってその理想とするところをあきらめ、そして老いてまいります。

その命が消えるときに、自分が歩んだ道を思い、後悔の念にさいなまれるか、それとも精一杯励んだ道のりに満足していくことができるか。

今日という日を、一日一日を悔いなく正しく生きることのみが、人生の終わるとき私たちを幸せなものとしてくれるのだと信じます。

私ごとですが、丁度一週間まえの土曜日、義父がなくなりました。

昭和四年に生を受け、十六歳という多感な年に終戦を迎え、医師として長い年月 地域医療の現場に身を置き、患者さんの心に寄り添う一生を八十六歳で終えました。

この間 現在のいわき市立総合磐城共立病院の第四代院長として重責を担い、出身大学医局との強固なよき関係のもとで多くの優秀な医師たちを集めました。また優れた医師としての実力を認めて集まった多くの研修医を指導しました。

その医師たちは現在 いわき共立病院は勿論、全国にあって優れた医師として診療や研究に従事し 多くの後進を育ててています。

いわき市夜間救急診療所の立ち上げに尽力し、開所当初から八十歳をむかえるまで夜間診療に通っておりました。

地域の人々にとって必要な医療というものを、絶えず考える医師でした。

ですから 昨年四月に田村地方夜間診療所が開所した時には、たいへん喜んでくれました。

キリスト教の牧師の子として生まれ最後までよきキリスト者であった義父の最後の診療は、今年二月二十日の石塚医院での診療でした。
私はこの義父を誇りに思います。

そして 一月に亡くなられた青山孝先生もまた昭和四年に生を受けられました。

はやく父上を亡くされた先生は、やはり戦後の激動の時代に医師となられこの地域の医療の担い手として長年ご活躍されましたことは皆様もご存じのとおりです。

博学で先見の明をもたれる先生は、私たち後進に多くのことを教えてくださいました。

先生は常々この地域には真の実力をもった病院が必要であることを説いておられました。

一般開業医には提供できない優れた医療を提供してくれる信頼することのできる病院に患者さんたちを紹介したいのだとおっしゃっておられました。

患者さんを回復させ、長年心を通わせたかかりつけ医師のもとに再び通うことができるように尽力してくれる病院とその病院の実力を認め、安心して紹介することができる地域の医療機関の連携が行われることが正しい地域医療の在り方であると・・・

地域の病院というものは、ただ患者さんを預かり見守る場所ではなく、患者さんを救う場所であるべきであると・・・。

全くその通りです。思えば、この二人の昭和四年生まれの医師は、異なる立場から地域の中核病院のあるべき姿について同じ思いを共有しておりました。
一人は病院長として、そしてもうひとりは地域の開業医として青山先生の米寿をお祝いすることはかないませんでしたが、のちほど 特別功労の記念品をご子息に代理で受けていただきたいと思います。

ここに集っておられる皆さん。
今一度、私たちは考えるべきではないでしょうか。
人は永遠には生きないことを。

尊敬に足る先人たちの足跡の上に新たな理想を打ち立て、それを実現し、真の地域医療のなんたるかを人々に示し、医師の集団として新たな歩みをはじめるときが来ているのではないでしょうか。

悔いることのない人生を。
そして多くの先人たちに恥じない人生を送りたいと思います。

先人たちもそう願っていると確信します。

ここにお集まりの来賓の皆様には 今後の田村医師会が進む道のりに深いご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げて会長挨拶といたします。

表彰者

特別永年勤続表彰(勤続30年以上)

  • 吉田三枝子(石塚醫院)
  • 安瀬花子(大方病院)
  • 石井みつい(大方病院)
  • 佐藤優子(大方病院)
  • 菅野栄子(大方病院)
  • 根本末吉(大方病院)
  • 矢吹美津子(大方病院)
  • 石井みどり(大方病院)
  • 金堂貞子(大方病院)
  • 佐藤雅浩(大方病院)
  • 遠藤みつ子(秋元医院)

永年勤続表彰(勤続10年以上)

  • 根本亜紀(石塚醫院)
  • 助川順子(大方病院)
  • 安藤順子(大方病院)
  • 斎藤誠(介護老人保健施設桜美苑)
  • 酒井今日子(訪問介護ステーションさくら)

掲載新聞記事

2015年05月27日福島民友

2015年05月25日福島民報