田村医師会長から住民の皆様へ

新型コロナワクチンの接種につきましては、ここ田村医師会管区でも5回まで接種を受けられた方から未だ1回も接種していない方まで様々なようですが、日本医師会からは、昨年12月の松本吉郎会長の定例記者会見において、手洗いや手指消毒、適切なマスクの着用、換気といった基本的な感染防止対策と合わせて、オミクロン株対応型ワクチンの接種を希望する未接種の人は接種を受けていただくようとの呼び掛けがなされました。

厚生労働省の新型コロナワクチンQ&Aのサイトでは、新型コロナワクチン接種に関する様々な質問に対応しています。

コロナワクチン接種に関して、不安や疑問のある方は、一度アクセスされることをお勧めします。

さて、新型コロナウイルス感染症は5月8日から感染症の識別の中で現在の2類から5類に移行することが発表されました。尤も、これから5月までの期間に、新型コロナウイルスの性質や流行状況などが大きく変化した場合には、移行時期が見直される可能性もありますが、もしこのままの方針で5類に移行すれば、これによって新型コロナウイルス感染症の法的な扱いは季節性インフルエンザと同様のものになります。

感染症法の対象となる感染症の分類と考え方からの資料を見ると、2類感染症には現時点で結核・SARS・MERS・鳥インフルエンザ(H5N1,H7N9)等が該当し、分類の考え方として感染力及び罹患した場合の重篤性からみた危険性が高い感染症となっています。

これに対し、5類感染症にはインフルエンザ・性器クラジミア感染症等が該当しており、分類の考え方としては国が感染症発生動向調査を行い、その結果等に基づいて必要な情報を国民一般や医療関係者に提供・公開していくことによって、発生・まん延を防止すべき感染症となっています。

移行後は、感染症法に基づく主な措置も変わり、主なものでは就業制限・入院の勧告や措置・検体の収去や採取等・汚染された場所の消毒・物件の廃棄等がなくなります。

現在すでに大規模集会や都道府県をまたいだ移動の禁止などの感染拡大防止のための行動規制も事実上なくなっておりますが、5類に移行すると、入院勧告がなくなることは勿論、自宅待機についても自己判断になり、濃厚接触者の待機期間も不要になります。また、重症化した、またはそのリスクのある罹患者について、現在は各地の保健福祉事務所を母体とする担当部署が入院調整基準に基づいて入院先を調整していますが、それも変わります。

しかしながら、最近一時の勢いを失ってきたかのように見えるウイルスは決して消滅したわけではなく、2類、5類という人間の決めた分類に関係なく地球上にこれからも存在し続けるでしょうし、罹患した場合の症状についても、5類になった日から突然に軽くなるというものでもありません。

むしろ、5類に移行した暁には、自分自身でさらに強固な感染予防策を練っていくべきだと思われます。

その意味でも、ワクチン接種に関しては充分な情報収集・理解に基づき接種を受けられますようお願いいたします。