2022/02/14
年明けから拡大してきた新型コロナ感染症(オミクロン株)の流行は、20~30代の若い世代から小中学生・幼児へとひろまり、感染者の増加とともに次第に基礎疾患のある高齢者の感染が増加し、毎日のように重症化して亡くなる方が報告されています。
コロナ重症者ケアの病棟のある医療現場の医師は「まるでコロナが高齢者の最期の灯を消していくようだ」と表現しています。
もともと高齢の方の多くは何らかの基礎疾患を抱えておられ、それをかかりつけ医師との二人三脚で悪化を防ぎ、上手に管理しながら生活しておられました。
コロナ禍で、全国的にそしてこの田村地方でも定期的に通っていたかかりつけ医療機関への受診を控える方が増加し、医療現場での医師と患者さんとの密な連携に影響がでてきました。
政府が勧奨するオンラインでの受診は都市部ほど進んでおらず、そもそもオンライン受診というシステムそのものが住民の皆さんに浸透していないようです。医師会の今後の課題と言えるでしょう。
話を戻します。先程の現場の医師の表現を引用すれば、今の我々医師の課題は「高齢の方々の最後の灯を消さないようにする」ことです。
それには先ずワクチンです。
すでに広く報道されているように、コロナワクチンの予防接種後、一定期間を過ぎると抗体量が減少していきます。
この国では多くの高齢の方々が昨年(令和3年)5月から8月までに2回の予防接種を受けています。
抗体量が落ちていることは否めません。それではどうしたらよいか。
機会を逃さず早く接種を受けてください。ファイザーでもモデルナでも。
医師会管区の自治体でも多くの方がファイザー接種を希望され、モデルナを避けていらっしゃるようです。昨年にモデルナワクチン接種後の副反応が強いという報道があったためかもしれません。
しかしながら、現在接種されているモデルナワクチンは、接種量を半分にしており、全国的にもこの田村地方でも、モデルナワクチン接種後に重篤な副反応がでたという報告は来ていません。
ワクチン接種後の副反応については、もともと個人差が大きく、接種後2、3日間接種部位が痛む程度という人、微熱が出る人、高熱が出る人、ひどい倦怠感に襲われる人という風に様々でした。
今回の3回目の接種時においても同様です。
ファイザー接種者の中にも1,2回の接種ではなにも副反応がなかった方が3回目接種後に発熱した例、モデルナ接種後2,3日の強い倦怠感の報告が少数ではありますが入っております。
しかしながら3回目のワクチン接種によって抗体量を増やすことができれば、たとえ罹患しても重症化を防ぐことができると報告されています。
罹患してもめったに重症化することのない若年層に比べ、重症化リスクの大きい高齢の皆さん、特に基礎疾患を抱えておられる皆さんには、一刻も早く3回目接種を受けていただきたいと考えます。
コロナに生命の灯を消されずに、上手に乗り越え、幸せに長寿の記録を伸ばしていきましょう。
また、自治体においても、接種を希望する高齢の方々に十分なワクチンが供給されるように万全の態勢で臨んでほしいと考えます。