此度、令和8年3月31日をもちまして、田村地方夜間診療所の診療が休止となります。
田村医師会内では、東日本大震災の前から、この田村地方に夜間の一時救急診療を行う医療機関を設置することの必要性について協議されておりましたが、震災後に、福島県、地域自治体である田村市・三春町・小野町、そして福島県医師会と思いを共有し、県からの補助金、三春町・小野町の負担金、田村市一般財源を財源として、平成25年9月30日に着工、木造平屋建て、延床面積243,10㎡(敷地面積1,121,98㎡)の田村地方夜間診療所が平成26年3月18日に竣工しました。診療所の開設にあたり、建設地の選定、診療科目・時間、設備などの基本構想から設計まで多くの項目について平成24年初頭から11回に及ぶ田村地方夜間診療所検討会、そして田村地方夜間診療所連絡協議会の場で協議を重ね、その後平成25年7月から田村地方夜間診療所運営委員会において運営体制の検討、開所準備が引き継がれました。平成26年3月22日の開所式には、県保健福祉部・県医師会・県中保健所、警察、消防の各署、薬剤師会、郡山市の二次救急病院から来賓をお迎えし、翌週から診療を開始いたしました。田村市・三春町・小野町の田村医師会会員有志が持ち回りで診療にあたり、コロナウィルス感染症蔓延下で一時休診を強いられた間も、医師たちがボランティアで電話相談を担当しながら、田村地方の夜間診療の火を絶やすまいと頑張ってまいりました。
夜間の限られた時間帯の受診者数が少数であること、一時救急のみの対応であることから、夜間診療所の運営は当初から赤字が続きましたが、診療所の存在そのものが住民に安心感をもたらすという考えを歴代の田村市長と共有することで、現在まで診療を継続してまいりました。しかしながら、コロナ以降、本県において若者の流出に拍車がかかる中、田村地方という山間部での夜間の勤務に就く事務職の確保、加えて看護職の確保という大きな壁にぶつかり、田村市の長期にわたる募集にも応募者無しという状況下、令和8年1月22日の夜間診療所運営委員会において、4月以降の診療を休止するという案が了承され、1月27日、田村市長に報告され正式に休止が決定されました。田村市からは、今後、たむら市民病院に夜間診療業務移管等を含む検討が本格的に開始されるという報告がありましたが、たむら市民病院が新病院で11月に診療を開始するまでの間、田村地方では、夜間診療の窓口がなくなることになります。
医師会では、住民の皆様のために電話相談だけでも続けてほしい旨を白石市長に伝えておりますが、現時点で何の方向性も見出されておりません。
2014年春から12年ものあいだ、田村地方夜間診療所の診療に従事してくださった医師・看護師・事務員・薬剤師、その他多くの関係者の皆様、そしてご支援をいただいた田村地方の住民の皆様に深く感謝いたします。
令和8年3月
田村地方夜間診療所管理者
一般社団法人田村医師会会長
石塚尋朗