田村医師会より 会長からのメッセージ(令和3年1月6日版)

新らしい年が明けました。

皆様もご存知のように、この年を良い年にしていくためには大変な努力が必要になります。本日、日本医師会の中川会長から国民の皆様にお願いの報道がありましたが、2021年は年明けから新型コロナウイルス感染症の非常に厳しい局面を迎えています。
県内の陽性者も増え続けており、田村地方も例外ではありません。

人間がいる限り、ウイルスは様々な手段を使って感染・増殖・感染拡大を目指します。

変異によって感染力を高めることまでしています。

ウイルスは賢く、これに対して、現状を見る限り人間は決してうまく対処しているとは言えないようです。

今年は、人間がウイルスよりも賢くならなければなりません。そうしなければ、このコロナ禍に打ち勝って、幸福な生活を取り戻すことができません。

では、どうすればよいのか。

先ず、ひとりひとりが真剣になることです。

これまでコロナについて多くの報道がなされ、予防についても多くの情報が届けられていますが、依然として感染者は増え続けています。

なぜでしょう。

これらの貴重な情報に接しても、他人ごとと考えている人がいるからではないでしょうか。

全国的に感染拡大が起こっていると聞いても、それは首都圏や大都市の話で、こんなところまではコロナは来ないなどと考えている人がいるのではないでしょうか。

時折、要職にある人たちが油断をして感染したニュースが報道されますが、責任ある立場の人でさえ油断をするのです。

「まさか私がかかることはないだろう」とか「一度ぐらいなら大丈夫だろう」とか考えているのではないでしょうか。

間違いです。

最初に言いましたように、ウイルスは人間がいれば感染するのです。

「この人は大都市の住人だから感染しよう」とか「過疎地の人だから感染するのはやめておこう」などということはありません。

あらゆる環境を利用し、あらゆる機会を逃さずにあなたの手に付着し、あなたの食べる食物に付着し、あなたの口から入り込み、鼻から入り込み、目などの粘膜から入り込みます。

油断している場合ではありません。

人間の持つ能力の一つであり、武器ともいえる想像力を駆使して、ウイルスが利用しそうなあらゆるルートをあぶりだし、先んじて封じてください。

そうすることが、人間がウイルスに打ち勝つ一番効果的な手段となります。

手を洗う時にも消毒液を手に付けるときにも自分を守るために真剣になりましょう。ウイルスがすでに手についていると考えて手を洗い殺菌してください。

マスクをしていても、鼻の下まで下げていれば効果はありません。ウイルスの通り道を封じるつもりになってつけ方もよく考えてください。

ウイルスがついているかもしれない飲み物や食べ物は、決して口にしないようにしてください。会食は、人数にかかわらず、このリスクを減らすためにも今はできるだけ避けましょう。

コロナ陽性でも無症状の人が多いのですから、周囲に咳をしている人がいなくとも、換気をしましょう。この時にも、すでにウイルスが室内に蔓延していると考えて換気を行いましょう。

自分を含めて人間である限り誰でもウイルスを持っていると考えて「うつらない」ばかりでなく「うつさない」ための行動をとりましょう。

複数の人が使うトイレでは換気状況や清掃状況に気を付けることが欠かせません。使用する際には、マナーを守って次に使う人にリスクが及ばないようにと考えて使用してください。

いつどこでも、自分がウイルスを持っていると考えて行動することです。

自宅でも同じです。

自宅では緊張感も薄れますから、ウイルスを感染させないための行動を自然に身に着けることが大事です。

人の沢山いるところで来ていた(置いていた)コートやジャケットなどにはウイルスがついているかもしれないので、玄関先で脱ぎ、家族が集まる居間などには持ち込まないようにしてください。

帰宅したら、自分についているかもしれないウイルスを考えられる限りの最善のやり方で洗い流し、殺菌し、同居家族の感染を防ぎましょう。

できたら家族でウイルス対策を徹底するためによく話し合ってください。

今年を無事に過ごすためのまとめとして以下を確認してください。

  1.  口に入るものすべてにウイルスがついていないこと
  2. 職場・居住環境にウイルスが充満していないこと
  3. 眼や口の粘膜にふれるものや手にウイルスがついていないこと
  4. マスクを着けていない人の咳やくしゃみを浴びないこと

これらに留意して真剣になることです。

乳幼児や自分では十分に予防行動をとることができない人を介助するときにも、これらのことを頭に入れておいてください。

ぼんやりと過ごして運を天に任せてはいけません。

確実にウイルスをシャットアウトしていきましょう。

あなたのウイルス感染を防ぐことができるのは、どのような施策でもなく、あなた自身です。

けっして家に閉じこもることを勧めているのではありません。

ただ注意点を忘れないようにしてください。

現状に目を背けずコロナを正しく知り自分を律してウイルスとの戦に勝利することが家族や地域の人々そして社会を救うことに思い至ってください。

田村地方の皆様に医師会から年頭のお願いをいたしました。

心をひとつにして良い年にしていきましょう。